スポーツ照明についての技術
技術資料・関連法規
テニスコート
照度と均斉度
競技の性格上高速に行き交うボールをプレーするもので比較的高い照度が必要です。
また空間にあるボールを打ち返すために水平面照度で規定されていますが、地上高1.5m 以上の鉛直面照度も重要になります。
第1表 屋外テニスコートの場合の照明要件(JIS Z 9127)
運動競技の区分 | 維持照度(lx) | 照度均斉度(1) | 屋外グレア制限値 | 平均演色評価数 |
---|---|---|---|---|
Ⅰ(2) | 500 | 0.7 | 50 | 60 |
Ⅱ(3) | 300 | 0.6 | 50 | 60 |
Ⅲ(4) | 200 | 0.5 | 55 | - |
注意
- 水平面照度の均斉度は、最小照度/平均照度を示す。
- 観客のいる国際、国内、地域全体又は特定地域における最高水準の運動競技会。最高水準のトレーニング。
- 観客のいる地域全体又は特定地域における一般水準の運動競技会。高水準のトレーニング。
- 観客のいない特定地域の運動競技会、学校体育又はレクリエーション活動。一般のトレーニング。
照明器具の配置と取付け高さ
一般的にはより眩しさの少ないサイド配置が主であるが、コートが並列に連なっている場合はコーナー配置が採用されます。
(1)投光照明方法の場合
テニスコートの照明器具の一般的な配置には、コートのサイドラインと平行な位置に配置するサイドライン配置と、バックライン後方のコーナーに配置するコーナー配置があります。(第1 図参照)
第1図
(a)サイドライン配置の例
(b)コーナー配置の例
しかし、原則としては、サイドライン配置を採用しますが、多数のコートが連続してある場合には、ベースライン後方のコート間に配置するコーナー配置をしてもかまいません。
(第2図参照)
第2図 投光照明器具の配置例
-
(a)1面コート
-
(b)2面コート
-
(c)3面コート
-
(d)4面以上連続するコート
-
(e)2面コートが縦に連続するコート
-
(f)テレビジョン撮影を行うコート
(2) テニスコート専用器具の場合
レクリエーション施設や一般競技施設には、テニスコート専用器具が使用されることが多くあります。その場合の配置例を以下に示します。
第3図 テニスコート専用器具の配置例
-
(a)1面コート 6基配置の場合
-
(b)2面コート 12基配置の場合
-
(c)3面コート 18基配置の場合
第4図 テニスコート照明器具の取付高さ(JIS Z 9127)
運動競技の区分Ⅰ及び区分Ⅱの場合
H1≧7+Ltan25(ただし、最低取付高さは12mとする。)
運動競技の区分Ⅲの場合
H2≧3+Ltan25(ただし、最低取付高さは8mとする。)
なお、第4図中のLの求め方については以下に示します。
第5図 取付高さを決めるためのLの求め方(●は照明器具の取付位置)
-
ラインと平行に配置をする場合
-
ベースライン後方のコート間に配置をする場合
-
テレビジョン撮影を行う場合
照明器材の選定
(1)照明器具
投光器が一般的で特に近い位置に照明柱を設置できるので中角配光の物が使われます。また最近は特にレクリェーションレベルでコート以外に漏れる光が少ないテニスコート専用器具が使われる場合が多い。
第2表 照明器具の選定
運動競技の区分 | 投光器の配光 | |||
---|---|---|---|---|
狭角配光(1) | 中角配光(2) | 広角配光(3) | ||
Ⅰ | 1面 | ○ | ◎ | |
2面以上 | ○ | ◎ | ||
Ⅱ | 1面 | ◎ | ○ | |
2面以上 | ○ | ◎ | ○ | |
Ⅲ | 1面 | ○ | ◎ | |
2面以上 | ◎ | ○ |
注意
- ビーム開き(最大光度の1/10のところまで)が30°未満のもの。
- ビーム開きが30°以上、60°未満のもの。
- ビーム開きが60°以上のもの。
備考
◎は主に用いるもの、○は必要に応じて用いるものを示す。
(2)光源
ボール、衣装もカラフルであるためメタルハライドランプが使用されます。なお混光照明は空間の色むらが生じやすいため使用されません。
(3)照明柱
コンクリート柱が一般的ですが、コート面が多く密集している場合鉄塔も使われます。また専用器具を使う鋼管柱もあります。(第6図、第7図)
第6図 標準的な設備の概要
第7図 標準的なテニスコート専用器具の装柱図
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